魚肉ソーセージが魚の代わりにならない理由は『塩分と添加物』│管理栄養士が解説

こんな疑問を解決します。

スーパーやコンビニで買えて長期間の保存もきく魚肉ソーセージ。

名前に「魚」と入っているので「魚の代わりに食べたい!」「魚不足を少しでも補いたい。」と考える方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、魚肉ソーセージを魚の代わりにすることは難しいです。

理由は以下で解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

お魚ソーセージが魚の代わりにならない理由5つ

お魚ソーセージを魚の代わりにならない理由は以下の5つ。

塩分のとりすぎになる

魚肉ソーセージを魚の代わりとして頻繁に食べると塩分のとりすぎになります。

魚肉ソーセージ1本/100gあたりの食塩相当量はおよそ2.1gで高塩分の食品

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、以下のように食塩の摂取目標量が設定されています。

男性7.5g/日未満
女性6.5g/日未満

上記の目標量から塩分は1食あたり2.0〜2.5gくらいに抑えることが理想ですが、魚肉ソーセージ1本に約2gほどの食塩が入っているため1本食べただけで1食あたりの食塩を摂取してしまうことになります。

魚肉ソーセージを1本で食事を完結できるわけではないので塩分量が気になる方は、魚肉ソーセージを食べる量を調節して1度にたくさん食べ過ぎないような工夫が必要です。

添加物が含まれている

魚肉ソーセージには、生の魚を食べたときには摂取することがない以下のような食品添加物が含まれています。

  • リン酸ナトリウム
  • 亜硝酸ナトリウム
  • 着色料

食品添加物は魚肉ソーセージを製造するうえでは必要なもの。

魚肉ソーセージに使われる魚のすり身に混ぜることで食感を良くしたり、保存性を高めたりと私たちが安全に食べられるように加工されます。

添加物は身体に害がない基準が科学的に立証されており、法律でも使用量が定められていますが、どうしても添加物を摂取したくない人は加工されていないフレッシュな魚を食べてくださいね。

魚本来の食感はない

魚肉ソーセージはすり身状に加工されているので、魚本来の食感を楽しむことはできません。

刺し身のムッチリコリコリとした食感や焼き魚のホクホクとした魚独特の食感を味わいたいならフレッシュの魚しかありません。

栄養強化されている

魚肉ソーセージの中にはカルシウムやDHAなど積極的にとりたい栄養素が強化されている商品があります。

フレッシュな魚ではとることができないので、不足しがちな栄養素を効率よくとりたい人には魚肉ソーセージはおすすめです。

調理法が限られる

魚肉ソーセージはそのまま食べるイメージが強いですが、アレンジすることもできます。

とはいえ、フレッシュな魚のように煮る・焼く・挙げる・蒸すなどどんな調理が合うわけではないのでバリエーションは少ないといえます。

魚肉ソーセージに含まれる栄養素を解説

魚肉ソーセージに含まれる栄養素を解説します。

魚肉ソーセージにとくに多く含まれている栄養素は以下の3つ。

  • たんぱく質
  • DHA・EPA
  • カルシウム

普通のソーセージと比較

スクロールできます
エネルギータンパク質脂質カルシウムn-3系脂肪酸
魚肉ソーセージ158kcal11.5g7.2g100mg0.1g
畜肉ソーセージ269kcal14g24.4g8mg0.23g

畜肉ソーセージより魚肉ソーセージの方がカロリーや脂質は低く、カルシウムは豊富に含まれています。

タンパク質はやや畜肉ソーセージの方が多いですが、ほとんど変わらないと言っても良いでしょう。

栄養成分表示ではDHAやEPAのn-3系脂肪酸は魚肉ソーセージの方がやや少ないですが、n-3系脂肪酸を強化した魚肉ソーセージも販売されているので目的に応じて購入すると良いでしょう。

魚の代わりにはならないけど…食べておいしかった魚肉ソーセージを紹介

魚肉ソーセージは魚のすり身を使いますが、魚というよりはソーセージに近い味や食感の商品が多いですよね。

そこで、魚本来の味わいを楽しめる商品はないか調査しましたが…結論から言うと、お魚ソーセージはほとんどが魚のすり身と豚脂を合わせたもので魚に限りなく近い商品は見つかりませんでした。

そこで筆者が食べておいしかった&手に入れやすい魚肉ソーセージをいくつか紹介していきます。

私のお気に入り魚肉ソーセージを紹介します!

【無印】すけそうだらとぶりのソーセージ

【ニッスイ】おさかなのソーセージ

【マルハニチロ】1秒OPENおさかなソーセージ

魚肉ソーセージもいいけど…フレッシュな魚を手軽に食べたいなら

手軽に食べられる魚肉ソーセージですが、塩分のとり過ぎが気になったり、本来の味や食感を求めるならやはりフレッシュな魚ですよね。

魚肉ソーセージのような手軽さで魚を食べる方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

外で食べる

調理が面倒な魚料理は外で食べればOK!

ややコストがかかるのが欠点ですが、和洋中エスニックなどのジャンル、調理方法などを気にせず魚を堪能することができます。

スーパーやコンビニの惣菜を買う

スーパーやコンビニも魚のお惣菜が充実しています。

コンビニは味のよい煮魚や焼き魚がすぐ手に入るので、ちょっと魚が食べたいなというときに便利。

私は焼き鮭が好きでよく食べています。

スーパーやコンビニは同じメニューでもメーカーによって味付けが微妙に変わってくるので、食べ比べても楽しいですよ。

魚のサブスクを利用する

自宅で新鮮な魚を味わいたいなら魚のサブスクがおすすめ。

調理済み商品から、自分で調理できる下処理のみの魚まで自分の好みに合わせて選ぶことができます。

コストがやや高いのが難点ですが、自宅に届きスーパーではなかなか手に入らないような新鮮な魚を食べられるのが魅力です。

魚肉ソーセージは魚の代わりにならないまとめ

魚肉ソーセージは塩分が多いため魚の代わりとして頻繁に食べるのはおすすめできません。

しかし、脂質が少なく高たんぱくなので効率的に栄養素を摂取したいときにはおすすめな食べ物と言えます。

魚肉ソーセージと同じくらい手軽に魚を食べる方法も他にあるので、魚肉ソーセージは魚肉ソーセージ、魚は魚と分けて食べていくのが良いでしょう。

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