魚を食べないと不足する栄養素は?管理栄養士が解説

  • 魚をたべないとどうなる?
  • どんな栄養素が不足するの?
  • 魚をカンタンに食べる方法はある?

下処理が面倒くさかったり、調理方法がわからなかったりして食べるのを避けてしまいがちな魚。

とはいえ、身体に必要なDHAやビタミンなどの栄養素が含まれているため、積極的に献立に取り入れたい食品です。

なぜなら、魚に含まれる脂は血液中の中性脂肪を下げ、動脈硬化や脳卒中などの脳血管疾患を予防する働きがあるため。

この記事では魚を食べないと不足する栄養素やカンタンに魚料理を食べる方法などを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

魚を食べないとどうなる?

結論から言うと、魚を食べなくても他の食品で補えるため、健康上は問題ありません。

とはいえ、魚はタンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく含むうえ、ご飯のおかずとして味がよく満足度も高い食品。

お刺身や焼き魚はおいしいし絶対献立から外したくない!

食生活を豊かにするために魚は欠かせない食品と言えます。

魚を食べないと不足する栄養素

魚を食べないと不足する主な栄養素は以下の3つです。

  • ビタミンD
  • DHA・EPA
  • アスタキサンチン

なかでもDHAやEPAは必須脂肪酸として身体に重要な栄養素であり、効率良く摂取するためには魚が一番。

順に栄養素の働きと栄養素を多く含む魚を解説します。

ビタミンD

ビタミンDは健康な骨や歯を維持するために欠かせないビタミンで、以下のような働きをします。

  • カルシウムの吸収促進
  • 骨の成長促進
  • 血中カルシウム濃度の調節

ビタミンD不足は骨代謝異常や低カルシウム血症の原因となり、骨が硬くならない骨軟化症(小児はクル病)や手足のしびれなどを引き起こします。

ビタミンDが多く含まれる魚

  • 魚全般

ビタミンDは魚全般に多く含まれているため、好きな魚を積極的に食べると良いでしょう。

また、ビタミンDは油に溶けやすい脂溶性ビタミン。刺し身や煮魚でも構いませんが、揚げたり炒めたりするとビタミンDの吸収率が上がりおすすめです。

DHA・EPA

DHA・EPAは血中のコレステロール値を下げ、動脈硬化や高血圧を予防する効果があります。

DHAやEPAが不足すると血液がドロドロになり、体内の中性脂肪、悪玉コレステロールが増えやすくなります。

DHA・EPAが多く含まれる魚

  • イワシ
  • サバ
  • サンマ
  • マグロ

DHAやEPAはオメガ3という必須脂肪酸で、体内では合成されないので食品から摂取しなくてはなりません。

とくにイワシやサバのような青背の魚やマグロに多く含まれています。

DHAやEPAは加熱すると酸化し、毒性の強い過酸化脂質に変化してしまうため、お刺身のように生の状態で食べるのがおすすめです。


アスタキサンチン

アスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、抗炎症作用や動脈硬化予防に効果があります。

アスタキサンチンは筋肉や脳内に貯蔵されている糖の消費を抑えるため、筋肉の疲労や意欲、モチベーション低下などの精神的な疲労を軽減してくれます。

アスタキサンチンが多く含まれる魚

  • マス
  • サーモン

アスタキサンチンは天然の赤い色素で、サケやエビ、カニなどに多く含まれるカロテノイドの一種。

トマトに含まれるリコピンやニンジンのβカロテンも同じカロテノイドの一種ですが、アスタキサンチンはカロテノイドの中でも強力な抗酸化作用を持ちます。

アスタキサンチンは油に溶けやすい性質を持っているため、鮭などを油で焼いたり揚げたりすると効率よく摂取できます。

魚不足をカンタンに解消する方法

魚不足をカンタンに解消するには以下のような方法があります。

  • 缶詰の魚を食べる
  • コンビニやスーパーで惣菜の魚を買ってくる
  • 外食で魚を食べる
  • 魚料理の食材宅配を使う

自分にあった方法を選んで魚を楽しみましょう。

缶詰の魚を食べる

安価で手軽な方法が『缶詰』。

味付けのものをそのまま食べても良いしアレンジもしやすいため、料理が苦手な人でも取り入れやすいです。

とくにサバ水煮缶はアレンジのしやすさからレシピがたくさん出ています。

常温で長期間保存できるし、以下のような簡単アレンジでもおいしく食べられるので缶詰はおすすめです。

材料
作り方
  • 魚の水煮缶
  • ご飯
  • 玉ねぎ
  • かつお節
  • 醤油orめんつゆ
  • 卵黄
  • 小ねぎ(あれば)
  1. 玉ねぎを薄切りにし、スライスオニオンを作る。
  2. 温かいご飯の上に水気を切った魚の水煮をほぐして乗せる。
  3. 卵黄を中央に乗せる。
  4. めんつゆをかけて、かつお節・小ねぎを散らし完成。

コンビニやスーパーで惣菜の魚を買ってくる

焼き魚や煮魚が食べたいときには、コンビニやスーパーのお惣菜もおいしく、比較的安いので便利です。

コンビニ、スーパーの魚料理は安定した味付けなうえ、自分で作るより手間も省けるため、魚料理が苦手な人におすすめです。

外食で魚を食べる

外食をするとき魚のメニューを選ぶのもアリです。

自宅で食べるのと比べお金はかかりますが、面倒な下処理や調理をせずに作りたての味を楽しめます。

海が近い地域ではおいしい魚料理が手軽に食べられることが多いですよね。

魚料理の食材宅配を使う

調理済みの魚や下処理済みの魚を自宅まで届けてくれる、魚専門の食材宅配サービスが近年増えています。

魚の食材宅配は『下処理済み・未調理』と『調理済み』の2タイプに分けられ、以下のような特徴があります。

各サービスの特徴

下処理済みタイプ
調理済みタイプ
  • さばき方が選べる
  • 数種類の魚がワンセット
  • プロが選んだ新鮮な魚
  • 味付け済み
  • 湯せんやレンジで調理
  • プロの味が自宅で楽しめる

都度購入と定期購入に分かれていたり、金額も様々なため興味がある方は下の記事を参考にしてみてください。

魚を食べないと不足する栄養素まとめ

魚をわざわざ食べなくても、サプリメントなどで得たい栄養素は摂取できます。

魚に多く含まれる栄養素
  • ビタミンD
  • DHA・EPA
  • アスタキサンチン

しかし、魚は栄養素を効率よく摂取できるだけでなく、献立のバリエーションが増え食生活を豊かにしてくれる食事には欠かせないもの。

自分で下ごしらえや調理をしなくてもおいしい魚が食べられる機会は意外と多いので、面倒くさいからと避けずにぜひ魚を食べてください。

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