魚の常温放置は何時間から危険?魚を腐らせずに保存する方法を解説

魚の常温放置は何時間から危険?魚を腐らせずに保存する方法を管理栄養士が解説

こんな疑問を解決します。

魚を購入したものの、ついうっかりしまい忘れた場合、常温で何時間までなら安全に食べられるのか不安ですよね。

結論から言うと常温(25℃程度)では約2時間が限度。

それ以上経つと食中毒の危険性が高まるため、食べるのは避けたほうが良いでしょう。

この記事では、魚を常温放置する危険性や上手な保存方法などを解説しているので、参考にしてみてください。

目次

魚の常温放置は2時間を超えると危険

魚は細菌の増えるスピードが非常に早く、25℃程度の室温に2時間放置したものを食べてしまうと、『食中毒』を起こす可能性があります。

細菌性食中毒

サルモネラ菌やカンピロバクターなどの細菌が原因となる食中毒を『細菌性食中毒』と言います。

細菌性食中毒は食品中で増殖した細菌や細菌が産生した毒素を摂取することにより発生します。

細菌性食中毒を起こす細菌は主に以下の7種類です。

  • サルモネラ
  • 腸炎ビブリオ
  • カンピロバクター
  • 黄色ブドウ球菌
  • ウェルシュ菌
  • ボツリヌス菌
  • 病原大腸菌

なかでも腸炎ビブリオは海水中に存在する細菌のため、魚介類に付着している可能性が高く、魚による食中毒の発生件数が多い細菌です。

ヒスタミン中毒

魚由来の食中毒で細菌の他に注意が必要なのは『ヒスタミン中毒』です。

ヒスタミンは魚の腐敗過程で生成される化学物質で、ヒスタミンを多く含む食品を食べることで食中毒が発生。

症状には吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、めまいなどがあり、重症化すると血圧低下や意識障害を引き起こす危険性があります。

マグロ、サバ、サンマなどの青魚は、ヒスタミン産生が激しい傾向にあるため、 冷蔵庫などで適切な温度管理をすることが重要です。

冷凍の刺身を常温解凍するときの注意点

冷凍刺身の常温解凍は可能な限り避けた方が良いですが、どうしても常温で解凍する必要がある場合には以下の方法で解凍できます。

常温解凍の方法

STEP
刺身を冷凍庫から取り出す

冷凍された刺身をパッケージから取り出し、皿やトレーに置きます。

STEP
ラップで覆う

刺身が乾燥しないようにラップでしっかりと覆います。

STEP
室温で放置

室温(20〜25度)で解凍します。刺身の厚みによりますが、約30分から1時間程度で解凍が進みます。

STEP
解凍の確認

刺身が柔らかくなり、触ったときに冷たさが少し残るくらいになったら解凍完了です。

解凍後は刺身を速やかに冷蔵庫に入れ、4℃以下で保管しましょう。

冷蔵保管することで、細菌の増殖を抑制し、食中毒のリスクを最小限に抑えることができます。

一度解凍した刺身を再冷凍するのは、品質が著しく低下し、食中毒のリスクが高まるため避けましょう。

魚を腐らせずに保存する方法

魚を腐らせずに保存する方法は以下の3つ。

順に解説します。

買い物時は保冷剤を使用する

魚の鮮度を保つために買い物時は保冷剤を欠かさないようにしましょう。

保冷剤を使うタイミングやポイントは以下のとおり。

  • しっかり閉まる保冷バッグを容易
  • できるだけ多くの保冷剤を使用する
  • 買い物の順番は魚を一番最後に
  • 買い物後はすぐに魚を保冷バッグに入れる
  • 家についたらすぐ冷蔵庫または冷凍庫へ移す

保冷剤を使用し、魚の温度を上げないことが重要です。

すぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れる

魚を買ってきたらすぐに冷蔵庫または冷凍庫に入れましょう。

冷蔵保存

温度を4℃以下に設定し、魚はラップや密閉容器に入れて保存することで乾燥を防ぎ、他の食品へのニオイ移りを防げます。

内臓が未処理の場合は、すぐに取り除きよく洗ってから保存すると鮮度が長持ちします。

冷蔵保存では2~3日以内に消費するようにしましょう。

冷凍保存

温度を-18℃以下に設定。

冷蔵保存と同様に内臓は取り除き、よく洗って水気を拭き取っておきしょう。

ラップでピッタリと包むか真空パックを利用すると、酸化や乾燥を防ぎおいしさが持続します。

おいしさを保つために、解凍時は冷蔵庫内に入れてゆっくりと解凍するようにしましょう。

食品用脱水シートに包む

食品用の脱水シートを使用すると、魚に含まれる水分がシートに吸収され保存性が高まります。

以下で紹介する商品は、魚の水分やニオイ成分は吸収しつつうまみ成分であるアミノ酸は残すので、味が凝縮しておいしさも向上。

サクのお刺身を買ったら包んで1晩寝かせると、よりおいしく食べられるのでおすすめです。

魚を常温放置して腐るとどうなる?

魚は常温で放置すると腐りはじめ、以下のような状態に変化します。

  • ぬるぬるしてヌメリがある
  • ねっとりしている
  • 強烈に生臭いにおいがする
  • 黒く変色している
  • 身が溶けている

魚が腐り始めるとまず、ぬるぬるしてヌメリが出てくるようになり、手で触ると糸を引く場合もあります。

表面は白っぽくなっているか、腐敗が進んだものは緑や黒に変色しています。

また、腐っている魚はニオイも強くなっているため気づきやすいでしょう。

魚に上記のような変化が見られたら、食中毒の危険性があるため、もったいないですが廃棄しましょう。

魚を常温放置すると危険まとめ

魚は腐敗しやすく、購入してきたものを常温で2時間以上放置してしまうと、加熱しても食中毒の危険性があります。

買ってくる際には保冷剤でしっかりと冷やし、自宅に着いたらすぐに冷蔵庫に保管するようにしましょう。

また、内臓つきのまま購入した際はすぐに内臓の処理をすると魚の鮮度が落ちづらくなります。

適切な処理をして、おいしい魚を楽しみましょう。

目次